平成18年5月21日 平成17年度成果発表会を開催いたしました


 5月21日に平成17年度成果発表会を佐賀市マリトピアにて開催しました。当日は県内外から大学、企業の研究者、漁業者、一般県民、行政関係者など約170名の方々に御参加いただき盛会の内に閉会することができました。ありがとうございました。

【第1部:有明海再生機構研究活動報告】では、「佐賀県委託研究事業:干潟・浅海域における底質の物質純化に関する研究」(研究期間:平成17~21年度)の平成17年度における成果報告と当機構が平成17年度に公募・助成した「有明海再生に係る研究費等助成事業」の成果が各事業実施者から報告されました。

【第2部:大学における有明海再生への取組】では、環境省や有明海沿岸4県の各大学研究者から、国や大学での有明海再生に向けての取り組み・研究についてご講演いただきました。

【第3部:全体討論】では「これまでの有明海再生研究で何が解明され、何が未解明か」をテーマとして、佐賀大学大串助教授をコーディネーターとして、九州大学楠田特任教授、熊本県立大学大和田教授、佐賀大学荒牧教授、長崎大学中田教授、佐賀県有明海再生課川村副課長、有明海で漁業を営む陣川啓次さんらをパネリストに迎えパネルディスカッションを行いました。大学研究者からは、各大学で進められている有明海再生に向けての研究プロジェクトでの研究成果や当機構生産分科会、環境省総合調査評価委員会での議論を通して、何が解明され、何が課題なのか意見が交わされました。また、川村副課長、陣川さんからは、日々有明海に接し有明海の環境変化を実感している漁業者の視点から潮流・潮位の変化などについて発言がありました。
また、環境省総合調査評価委員会における議論や諫早湾干拓事業中長期開門調査等有明海再生に向けて会場参加者との議論が交わされました。
最後に、当機構理事長の楠田教授から、有明海再生に取り組む場合の法制面・組織面・経費面における現実的な問題点について指摘があり、それらも今後の研究課題であるとの意見が述べられました。

 なお、今回の成果発表会の詳細については、後日、講演録という形で公開する予定です。

 

  プログラム

【セッションⅠ:有明海再生機構研究活動報告】
(1)受託研究成果発表
佐賀県委託事業「干潟・浅海域における底質の物質循環に関する研究」
干潟分科会 堤 裕昭(熊本県立大学)
(2)有明海再生に係る研究費等助成事業(公募)成果発表
〇衛星画像を利用した有明海流入負荷変動の定量的な評価に関する研究
大串浩一郎(佐賀大学)
〇珪藻赤潮の発生機構に関する調査
山中 寿朗(九州大学)
〇有明海における金属イオンの生物濃縮と干潟濃縮に関する研究
田端 正明(佐賀大学)
〇現場測定型簡易底泥巻上げ試験器の開発に関する研究
山本 浩一(佐賀大学)
〇RI密度検層による有明海底質環境の工学的定量評価に関する研究
梅崎 健夫(信州大学)
〇マイクロバブルを利用した有明海の底質改善技術の開発
吉田詔之助
〇ナルトビエイの食料化(サプリメント化)に関する研究
高橋 勝則((有)オフィス・タカハシ)

  予稿集は こちら


【セッションⅡ:国、大学における有明海再生への取組】
1)「有明海・八代海総合調査評価委員会中間とりまとめについて」
環境省 閉鎖性海域対策室室長補佐 坂本清一
2)「鹿島沖におけるシャトネラ赤潮の発生メカニズム」
九州大学教授 本城凡夫
3)「有明海における貧酸素化現象とその生態系への影響」
熊本県立大学教授 堤 裕昭
4)「地域コンソーシアムによる『底質改善と底棲生物回復のための技術開発』の研究成果について」
佐賀大学教授 林 重徳
5)「有明海湾奥部における物質輸送と環境変動
-佐賀大学有明海総合研究プロジェクトでの取り組み-」
佐賀大学助教授 速水祐一
6)「堆積物からみた有明海の中長期的環境変遷」
長崎大学教授 松岡數充
7)「有明海中央部における魚類の動向」
長崎大学助教授 山口敦子

予稿集は こちら

H18.05.21 平成17年度成果発表会 講演録
※ 冊子の講演録と体裁が異なる場合がございます。