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有明海にまつわる人々

img02.png吉開 智能
よしかい ともよし
JF佐賀有明海直売所(まえうみ)店長 佐賀市

 佐賀市の国道208号の平松交差点を南へ曲がるとすぐに「まえうみ」と書かれた高くて大きな看板が目に入る。この「まえうみ」の店長さんが吉開さん38歳。佐賀には少ない姓。聞くと出身は福岡県の柳川とのこと。
さてさて、この「まえうみ」とはどんな意味なのか。「自分達の目の前に広がっている海のことを、「まえうみ」と親しみを込めて昔から呼んでいます」と返事が返ってきた。
お店に入る。一番多い商品は佐賀海苔。いろんな商店の佐賀海苔が並べられている。佐賀海苔は生産量、販売額とも11年連続日本一。(2015年現在)開店当初は近くのお客さんが多かったが、最近は法要などのお返しや佐賀土産を求めて遠くから買いに来る人が多くなったという。訪問当日も、海苔の箱を抱えているお客さんが目に付いた。吉開さんは、これからは、お客さんご自身に店内の商品を使ってオリジナルのセットを作ってもらいたいと思っているそうだ。
店内にはおしゃれなデザインの袋に入っている海苔や小さな瓶の柚子こしょう、粕漬けなどがある。持って行くお土産は軽くて美味しいのが一番。お土産だけでなく、少人数の家庭屋、あまり多量に食べない私たち高齢者にはうってつけ。これからは、佐賀のお土産はここで間に合う。日々の買い物もここで十分。鮮魚コーナーもある。滅多にお目にかかれないシャコもある。口ぞこ、旬の「エツ」の刺身。アジの干物。黒いムツゴロウの丸焼き。エイリアンと人気のワラスボ、クラゲもある。
吉開さんの心配は、魚の切り身しか知らない若い人、魚は骨があって面倒だ食べにくい。料理方法がわからない。漁獲高が少なく、値段が高くなったくちぞこ、あげまき、たいらぎ、しゃこなどなどの料理方法が次世代に伝わらない。すると売れなくなる。魚介類を採る漁師さんが少なくなる。網を使っての魚介類の漁をする人が少なくなっていくと、網が海底を引きずられなくなると、有明海の環境が悪くなるの悪循環になる。海底を耕す、大きな台風が来るとタイラギがよく取れるという話は聞いていたが、漁も影響しているのか。「漁獲高を上げることが、有明海の再生につながる」という専門家もいる。
若い店長さんは忙しい。インタビューの合間にも、お客さんや新物を卸している商店の人と話をする。最後に、海苔ソフトのチケットを買うと「店長に渡してください」とレジの人が言う。店長さんがソフトクリーム係。かすかに海苔の香りがしているが、もともとのソフトクリームの味をそこねていない。美味しい。戻ってきて、また、夢を語ってくれた。有明海を愛しているのがよくわかった。
一生懸命仕事をしている若者に久しぶりに出会った「まえうみ」での時間だった。

「まえうみ」の詳細は、http://www.jf-sariake.or.jp/news/をご覧ください。
魚介類のことは、http://www.jf-sariake.or.jp/page/maeumimon.htmlここから。

2016年6月23日 北島悦子

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